記憶の整理・その六

融資先を探してくれていた代理人のYさんに、それまで、の Aさんとの、経緯を話す。


それは、会社ぐるみでしょ。


そうかもしれない。 

Aさんは、お手上げしたのだ。

私達に、最後までお付き合いしますと言った手前、最後の望みをかけていた銀行も、駄目だったのだから。

そういう、非常手段で、ことを終わらせることにしたのではないか…

会社側から、不毛な事案に対して、指導を受けてもおかしくない。

…事実は、どうだかいまだに、分からない。

事実を確かめている余裕などなかった。


呆然…ただ ただ、呆然。

買い戻しする方法をさがすか、できなければ引越し…。

落札した業者から、待てない。

いい加減にしてくれと、決断を迫られる。


彼らとて、銀行からの融資を受けていたであろうから、余計な利子が発生するのは、避けたいから、それは、理解。


落札した側は、できたら買い戻ししてもらう方が、手間なく利益が発生するので、楽なのではないか、と、買い戻しの可能性を探しながら、引越し先を探す。


Yさんが、彼等の取引先の銀行を紹介してくれた。その銀行は、融資話にのってくれた。


ただし、手持ちの資金500万円を用意して欲しいとのことであった。