空白な気持ち

急いで事のあらましを記した、家の競売の件。

書いとかなくちゃという、半ば強迫観念のようなものがあったので、一旦、記し終えると、ほ~っとして、しばらくは、空白な気持ちで、過ごしていた。


ふと気がつくと、はや、九月。

記すべきことは、あとを絶たず次から次へと、湧き出るようにあったのだが、今度は体力的消耗とやらで、ケータイを、触る気力が、無くなっていた。


ホテルの清掃の仕事である。

満室続きで、連日の、残業。

残業すれば確実に支払いがあるのだから、収入増えて良いかも…なんてことは、あさはか。

何であっても、過ぎたるは及ばざるがごとし…なのだ。

私が、2月、3月骨折のせいで休んでいた頃、ちょうど春の行楽シーズンとやら?で、満室続きだった。その頃は同じように働く仲間が今より2人ほど多かった。

その時の満室残業、の疲れもあって、少し不満めいた気分が仲間内に広がっていたが、とうとう、あることをきっかけに、2人やめてしまった。

そして、清掃会社の事情で、ホテルの担当者が変わり、それまでのように忙しい時のヘルプが、思うように配置されなくなった。

事情通の仲間によると、新しい担当者は、以前の担当の人と違って人望が無いらしい。

ヘルプをお願いしようにも誰も応じるものがいないというのだ。

先代の担当者の方は中々忙しくて連絡が取れなくて、現場のチーフは、困っていたが、それでも有能なヘルプを何とか配置してくれた。

本当の意味でヘルプさんだった。


新しい担当者は、仕方なくヘルプを外注に出した。

このヘルプさんが、また、こちらが根をあげるほど、仕事が下手…最初から教えなければ、いや、教えても中々身につかない、お兄ちゃんたちだった。

だった…今は、かなり教育の成果があって、Bクラスにはなったか。

しかし外注なので、今までのような身内のやりくりではなくなり、「契約」が、発生ししているわけで、どうやら、私たちの時給の2〜3倍の支払いらしい。

彼らの教育に手間と時間を取られるうえに、かなりの出費で、やがて清掃会社も、?と思い始めているらしいのだが。

正規のパートさんを、あと2〜3人雇ってくれるか、配置してくれれば満室が続いても、そんなに悲鳴を上げないのだが、中々、配置も無ければ募集もうまくいっていない。


おまけに春先の残業が、祟ってみなさん、年末調整を気にしている。

時間をオーバーしないようにしないように、少しでも残業を減らす方向で今、調整している。

なのでさらに、外注のヘルプさん頼りなのだがかれらも、流石に、連日のハードワーク…

始めの頃は、スピードも早かったのだが、上手くなるにつれて、スピードが落ちた。丁寧にやってくれているのだろうけど、実はとても、疲れているのでは無いかとおもう。外注のヘルプさんも、ヘルプに出てくる顔が、2〜3人と、固定されている。

彼らもタイトなスケジュールで、こちらのわがままに付き合ってくれているのだろう…


で、出る日出る日と、残業続き。

かなり参った。

水回り、ベッドメイク、それらの仕事以外の清掃、次の日のリネンやアメニティの入れ込み…

そんなことで、驚き!七時間休みなく働く日もあった。


ホテル側も、満室にするためなのか、団体様を、お入れになる。

この団体、なかんずく、中国の団体様は、宿泊後のゴミが、大量

いや、膨大なのだ。

生ゴミはじめとして、ブランド品の靴の空き箱、バッグの空き箱、おもちゃの空き箱、フィギュアのそれ…

旅行ではなく、爆買いツアー、まだ、終わってない。

その後始末も、半端な仕事では無い。


というわけで、今や、我が心も、体も、ホテルの清掃の仕事に、嫌気がさしている。


とうとうチーフが、このままの状態で、人員配置されないのなら辞めると言い出した。

ホテル側と、清掃会社と三者で話し合うという日、清掃会社側に、「他の現場で起きた盗難事件」という緊急事態がとやらが起きて、会談が流れた。


そしてその後、新たな日程が組まれていない。

相変わらず、今日も満室。


昨日、出勤したら

チーフが、「お知らせよ。」と、明るい声で言う。

何くれるの?という感じで聞き返すと。

「私、10月15付で、辞めるの。」


もう、くるところまで来たのね。


自分の身の振り方考えろって…か。