ちょっと、おばあちゃん。
頭にくる。あさから。
清掃の仕事に行くのに、勤務先まで、最後の交通手段として、バスを使う。
15分発に、間に合うように5分ころには、バス停に着く。
人がならんでいたり、あまり並んでいなかったりだが、今日は、変な列になっていた。
ひとりのお姉さんが並んでらのだろうけれど、列からはみ出している。それを修正するかのように、少し間を空けて、男の人が列の線上に、並んでいる。並んでるのかどうかわからないややこしいバラバラな隊列になっている。
並んではるんですねと、男の人に尋ねたら、不機嫌そうに、うん。という。
その前の人を指して、この人も並んではるんかしらと聞くと、
そのつもりちゃうか。と。
その男の人の後ろに並ぶ。
すると、そのはみ出したかのような彼女と、男の人のあいだを、すっすっと、ひとりのおばあちゃんが、通り抜けて、列の前の方へ行った。並んでるのではない、
立っている。列の横に。
バスが来ると、呆れたことに、誰よりも先に、乗り込んだのだ。
おい、おい、おばあちゃん。
年寄りやからって許されへんよ。
ボケたふり?分からんふり?
なんか年寄りを大切にという気が失せる。
私とあまり歳変わらん感じやのにな。
年寄りよ、げんきならば甘えるな…