続き。科学論文。

ちょうど同じ時期に、私の最初で最後の論文が、投稿の運びとなっていた。

指導してくださる方もいたし、それなりにデータには、そこそこの自信もあった。


rejectされたと聞いた時は、まさか…

と、やっぱり…の半々。

致命的な、基本的な図の間違いがあったからだ。すぐに訂正して再投稿したものの、

いくつかの、論文誌を、さまよった挙句、没になりそうだった。


一方で、生活が、成り立たなくなって来ていたので、大学院に通えなくなり始めた。


そのあたりの事情については、ここでは、パスすることとして、


去年の春

あと一年大学院に所属できるけれど、休学を重ねていたので、論文を、あと2本作ることは、既に不可能。


実験が出来ない。

どころか、すでに出ているデータを整理することすら不可能。

「学位」は、さらに、遠い話…

指導してくださっていた先生に、相談した。さっぱり諦めるつもりでいた。

しかし、先生は、せめて、この一本だけでも形にしましょうと、言ってくださり、結果、大幅な訂正をして、わかりやすい論文にして、投稿し直すということになった。

わかりやすい論文とは、要するに化学合成による、新規化合物の作成という中身にするということなのだ。

それならば、新規化合物の特性を、はっきりさせればよい。

そうしましょう…と言ったものの、本来、その化合物を用いて、反応機構を検討するというのが、我が目的でありなおかつ、反応機構を立証するために、何回も何回も測定を重ねて、決定的な証拠を得ていたので、その訂正には、なかなか気が向かなかった。


放棄。


しかし

なんと、その大幅な訂正なしに元の論文のまま、今年、査読を通過したというのだ。


ありがたく

感謝。

諦めずに、再投稿してくださったことに。


そしてこの三月、退学と同時に、web公開の運びとなった。

勉強した、唯一の証。