信じられるか?67年も生きたなんて…


スーパーブルーブラッドムーンの日。

誕生日。

67回目にして、その年月を改めて考える。

小さい頃は、宮下の橋の下から拾ってきたとか、言われていた。

いつか、本当の母親が、迎えにきたらどうすれば良いのか真剣に考えた。

どんな人だろう。お金持ちかしら?美人かしら?優しいかしら?想像できなかった。

出来たらいっそのこと、何処か外国の王様の子供にして欲しい。その方が想像は、膨らむ。絵本みたいに… 

しかし、

嘘はばれる。

なんで、末っ子は、こう言う嘘に翻弄される羽目になるのか。

嫁ぎさきの、おとんぼも、どこかの川原で、拾ってきた。と言われていたらしい。



その日は、天気晴朗で、雲ひとつない晴れの日だったと言う。確かに1月31日は、晴れの特異日のようだ。

その明るい日の正午過ぎ、産まれたらしい。

近所の口うるさいおばさん達が、「真昼間にお産てなぁ」と、陰口叩いていたと、母は言う。

余計なお世話だ。いつ産まれるかなんて、制御する方がおかしい。


19の誕生日に、絶望感に苛まされた。

もう戻れない。10代には…

決して後戻りできない。

自然界の理。

そして、その延長線上に必ずあるはずの、40代、50代など、想像できなかった。


しかし、結婚して、家庭を持ち、家族の日々の事柄に、ひたすら向き合っているうちに、気がついたら60代になって…いた。


それは、生きていた証拠なんだろう。

浦島太郎だ。

ある日突然、気がつく。

自分が夢中で、ここまで来たことを。

遊んでこようが、仕事して来ようが、何して来ようが、

はっと、

浦島太郎は、玉手箱を開けたんだ。


でも、そこで、悲しんだり、怖気付く時代では無くなった。


新しい玉手箱を、手に入れよう。次はいつ開けるかな。