5年経過したら正規採用=五年経過したら解雇

先日 買い物途中に、この春まで同じ職場にいた奥さんに出会い、つい、二人で井戸端会議。

 私立高校の、非常勤講師だったのだが、私以外に、定年で辞めたかたは、いらっしゃらなかったようだ。何かの都合で、定年を待たずにやめた方は、いらっしゃったようだが。

 「でもね、来年度は、殆どの方が、おやめになると思いますよ。私をふくめ、5年以上非常勤をしているものには、昨年末に、今年度限りというお達しが、あったの。」

え?え?なぜ?

「非正規採用は、5年以上は、できなくなったんですよ。」

そう言えば、そんな法律が、できていた。その時は、「5年勤めたら、皆、正規採用されるのね。」という認識でしかなかった。良いじゃないか。

いえいえ、それは、看板で。

正規採用しなければ、解雇ですよ。続けて、そこで働けなくなるのです。


成る程、そう来たか。この法律は、正規採用を減らしたい雇用者側の都合による解雇に お墨付きを与えたわけか。

 いや、必ずしも雇用者にとっても、良くはないかもしれない。

 非正規で、働いてスキルがあって、かつ、彼女・彼らも正規採用を望まない場合もある訳で。そういうときは、雇用する側だって、スキルある非常勤講師を雇うのは、悪くない話。非常勤講師でも、長年雇われ続けているということは、毎年更新されて来たわけだから、何らかの、信頼・信用あってのことだから。

 事実私は、25年以上、非常勤として勤めてきた。正規の方の穴埋め、的ではあったが、授業の内容も、指導の力量も、研修の努力も、引けを取らないと、自信が、あった。

生徒とのやりとりの機微もしかり。

  私のように10年15年と、勤めてきた非常勤講師の方、全員に「今年度限り」の、

 解雇通告がされていたのだそうだ。

「別に正規採用なんかされたくないんですけどね。」「正規採用できないから、解雇ね。」

「他の私学とも連絡取って、お互いに交換採用(そういう言葉が、あるかしら?)できるようにしたいと思う…と、校長先生は、いうてはった。」  んだそうだ。

皆さんが、非常勤講師として職を得られるように、何とか、道を探してみたい…と

 そもそも 

校長も、5年限りの、期限付き任用ではなかったっけ…校長は、一旦定年退職したもと公立の高校の先生だったから。そんな人が、責任持って、他校との人事交流的なことを、やってくれるかしら。彼は、今年度で  まる五年のはず。来年度は、別の校長が来る。

 来年度の校長は、「え?僕知らんよ、そんなこと」で終われる。


さて、そんなことは、議論の俎板には、乗らなかったのだろうか。今さらではあるが…

積極的に非正規採用を選ぶ人達がいて、それでしか働けなくて、それでも働かなければならない人達がいること…は、超マイナーな事実として、捨てられたんだろうか。

  法律は、作ってしまえば、使い方次第。独り歩き。いいように解釈。都合の良いところだけ積極採用。